生田産機工業、3つの時代～時代と変化～
生田産機工業は、2020年に創立100年を迎えます。激しい変化にさらされたこの100年、3つの転機がありました。
1919年、京都伏見に生田鉄工所を創業
私の祖父、生田捨吉（1900～1974）が福井県東郷の地から一人家族から離れ、19歳で伏見に生田鉄工所を創業しました。ベルサイユ条約締結の年です。はるか昔の当初は酒造設備機械を主力に様々な科学機械を製造していました。
1950年、高度成長時代に築いた国内外での評価
2代目社長であった生田宗宏（1930～1999）の時代、日本は高度成長に沸いていました。欧米、アジアの海外伸銅メーカーへの納入実績を上げ、伸銅業界において、国内外にて確固たる評価を頂くに至りました。
1950年に伸銅設備機械の製造に着手。半世紀に渡り伸銅設備機械のトップメーカーとして国内外の有数な伸銅メーカーに高品質設備を納入し、期待、信頼されるIKUTAブランドを途切れる事なく連綿とした「ものづくり現場」の知恵と工夫、チームワーク、伝承の積み重ねにより築いて来ることが出来ました。
1999年～ 新たなものづくりの創造、そして未来へ
私が3代目として会社を継いだ1999年。グローバル志向の波が一段と大きくなりました。
2002年 中国蘇州に製造子会社の生田（蘇州）精密機械有限公司、昆山生田貿易有限公司を設立。
2008年 稼動予定の生田技研（蘇州）有限公司との2極体制で顧客の要望に迅速に的確に応えていけるようにとエンジニアリング・ソリューションパートナー事業展開と具体的な海外展開の布石を打ち、最近は、伸銅設備機械のみならず、金属全般に及ぶメタルプロセス・エンジニアリングの分野に積極的に事業展開を図っております。
また、京都府からサポートを受け「ものづくり力」を活かした環境関連事業として垂直軸小型風力発電機の開発もスタートしました。
理念の追究～成長の『コブ』～
当社には、創業者からの理念があります。
「天命に従い人事を尽くす」
IKUTAに集う社員一人一人が仕事を通じ、生まれてきた使命、目的（天命）に目覚め、かけがえのない各々の人生をより良く生き、成長していけるように！との願いを込めた理念です。世代を超えて受け継がれ、私の役割も理念の継承がもっとも重要な仕事と考えています。
人が人事を尽くせるとき。それは、自立心が芽生え、認められたときだと考えています。見方を変えれば、主張が強く言うことを聞かないこともあるわけで（笑）、私には、ちょうど会社にできたコブのような存在に考えています。
しかし、斬新な発想や取り組み。みな最初はいびつで小さなものです。強い稔侍をもった主張は、生田精機という大きな球体からぽこっと出たコブのようなもの。一生懸命伸びようとするコブです。凸凹は私には美しくみえます。
理念の継承と三方良しへの想い
思えば、創業以来90年。守ってきたのは「工場はひとづくり」感謝の心・思いやりの心・自立の心で「育とう・育てよう・育ち合おう」の社風でした。社員・顧客・取引先・地域社会が真の心の調和を持って響働し世に役に立つ商品をつくり、送り出し続ける事への願い。
変化の大きい時代に、求められるために、三代目である私の仕事は、磨き、削り、加工しがいのあるコブを育てることです。
