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「天命に従い人事を尽くす」

JX金属株式会社機能材料事業部 顧問 川村 和史

次の100年に踏み出す生田産機殿へ: 中国蘇州の思い出

2004年2月、私は中国蘇州に赴任しました。
ステンレスリロール工場を更地から立ち上げる現地プロジェクトリーダーとして。
場所は、蘇州旧市街の外(姑蘇城外)東側に広大な面積を有する蘇州工業園区の一画、上海蟹の元祖産地で有名な陽澄湖の高速道路を挟んだ南側の開発地でした。
このような立地の話をすると、中国悠久の大地に近代的な工場を建設するという浪漫に満ちたプロジェクトのように思われるかも知れませんが、実際の工場建設は、「苦心惨憺」、「疑心暗鬼」、「抱腹絶倒」、そして「感謝感激」のエピソードに満ちた筋書き(計画)通りには行かない物語でした。
私の「感謝感激」の中で一番大きいものの一つが、『色々な局面で生田産機本社さんと生田蘇州さんの多くの方々に相談に乗ってもらい、実際に助けてもらったこと』です。生田さんの話をする前に、まずは、このプロジェクトに生田さんが登場する前の「苦心惨憺」、「疑心暗鬼」のエピソードを一つ。
工場の更地からの立上げ、基礎杭打ち、地盤改良、建屋建設工事は、中国ローカルの建設会社が落札しました。彼らに設計仕様通りに納期を守って工事をしてもらうために、週例進捗会議では時として怒号が飛び交い、現場立会では地盤改良の誤魔化しを見つけ、日本語で怒鳴らざるを得ない状態に出くわし、その夜は建屋の地盤が沈下する悪夢をみることもある始末。2004年10月に建屋建設の山は何とか越えましたが、「一体、誰を信じて工事を進めればよいか」という不安は払拭されないまま、設備据付工事と立上げが始まりました。
そんな中、登場したのが生田本社さんから出張で来られていた中井さん、生田蘇州さんの責任者の金井さん、そして現地従業員の良き老師であり仕事の鬼かつ仙人のような中岡さん。このお三方に蘇州で最初に会って名刺交換した場所にも笑えるエピソードがあるのですが、本論と無関係のため割愛します。
 当時の生田蘇州さんは蘇州市郊外の桜封鎮にありました。初めて訪問した時、予想以上の規模と多くの機械加工装置、それに金井さんと中岡さんが育てておられた若いローカル従業員の数に少し驚くとともに、生田さんが中国事業に懸ける思いと姿勢を感じました。蘇州に来て初めて「疑心暗鬼」を取り払い、心から信頼できるパートナー、身内に出会ったように感じたことを今でもよく覚えています。
 その後、生田さんには、種々の設備の設計、製作、据付だけでなく、他社製設備の不具合の相談や改造まで、本当によく面倒をみてもらいました。その中の「感謝感激」のエピソードを一つ。
ある時、他社製装置に不具合が生じ、その原因究明と対策のために生田蘇州さんにSOSを出しました。その時、金井さんと中岡さんが若いローカル従業員を引きつれて来られ、中岡さんが現場で“ああでもないこうでもない”と若い従業員を夢中で指導されている姿がありました。そばに居た金井さんに訊くと「いつもこうだと」とのこと。このことに、生田さんのものづくりへの向き合い方、どの国のどの世代にも通じる仕事への姿勢と誇りがあるのだろうなと、感謝とともに敬意を抱いたのを覚えております。
 その後、2004年~2005年に掛けて工場の立上げ、設備の稼働は順調に進み、私自身は2008年に蘇州から帰国、生田さんとは、その後も引き続き長いお付き合いをさせて頂いております。
 1970年代の頃、生田産機さんは伸銅工場に不可欠な設備の一つ、『面削設備と面削カッター』の設計製作の元祖として、世界中の伸銅会社が認めるトップメーカーの地位を築いておられました。それから半世紀近く経った現在、生田産機さんが設計製作している設備は、面削設備の他に、脱脂、酸洗研磨、めっき、スリット等、多種多様なラインアップを有し、それらの設計、製作、補修は日本を飛び出し、中国蘇州、トルコなど海外にも展開されておられます。特に、私が蘇州時代にお世話になった生田蘇州さんは、工場の場所も移転し、現地で築かれた中国伸銅メーカーとの厚い信頼関係をベースに、規模も製作している設備ラインアップの豊富さも、全く様変わりの飛躍を実現されておられます。このことは、生田さんのものづくりの姿勢と技術が世界に通用する証左だと思います。
生田社長と中国での事業展開を決断した時の背景、トルコに拠点を出した思いについてお話を聞いたことがあります。生田社長は、そのお人柄から自慢するでもなく、いつものように淡々と熱い思いを語っておられました。京都という歴史的にも文化的にも特別な土地では、創業100年で老舗というのは憚られることかも知れません。しかし、老舗の条件は創業年数だけではなく、その暖簾と屋号に永年受け継がれていく『ものづくりの伝統と主人と従業員の誇り』の方がもっと大切なことだと思います。その意味で、生田産機さんは間違いなく『老舗』であり、そういう生田さんと良いお付き合いをさせて頂いていることは、私自身にとって大変嬉しいことであり、一つの誇りでもあります。
生田産機さんが次の100年に踏み出すにあたり、事業の更なる発展と日本のものづくりと社会への貢献、そして、生田社長をはじめ、日本、中国ほか各国で活躍されている従業員とそのご家族のご多幸を祈念しております。
おめでとう御座います。

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