この度は、生田産機工業株式会社が創業101周年を迎えられましたことを心からお慶び申し上げます。
貴社が伸銅の上流工程において高い技術を誇る設備機械メーカーとして、国内に留まらず海外からも厚い信頼が寄せられている企業であることは、皆様よくご存じのことと思いますが、これらの自社製品である設備機械は、基本的に受注生産されており、一台一台お客様の仕様やご要望にお応えすることが必要不可欠であることから、常に血の滲むような技術研鑚と創意工夫を積み重ねられた結果として、諸外国を含む数多くの企業への納入実績をお持ちであることは、その信頼の証であると大変尊敬いたしております。
そして、貴社の設備機械からつくり出される非鉄金属素材は、現在、私達の暮らしになくてはならない機器や装置の中に使われており、次世代の製品においても、その需要はさらなる増加が予想されることから、今後はAIやIoTなどデジタル化にも対応され、大いに貢献されることと存じます。
貴社と弊社とのお付き合いは、今から約30年前の京都機械金属中小企業青年連絡会 (通称 機青連) での生田社長と弊社2代目社長で夫の故西田栄一との交流がきっかけになりますが、当初から家族ぐるみでお付き合いをしていただき、その中で生田社長のお人柄が窺えるいくつかの言葉や情景が心に残っております。
例えば、会社の話題に話が及んだ時、従業員の方を「社員さん」という呼び方をしておられたり、今の会社があるのは「皆がいてくれたから」と仰っておられたりして、その言葉からは、社員さんに対する親愛の気持ちが感じられ、温かく、清々しい印象を受けました。
また、伏見のある店で、偶然お見かけした際には、社員さんらしき方とご一緒の生田社長は、満面の笑みをその社員さんに向けておられました。後日、その日の出来事をお訊ねしたところ、社員さんから結婚の報告を受けておられたそうで、その嬉しそうな表情の意味がわかりました。これも、日頃から社員さんを家族のように思っておられるお気持ちが自然に表れた言葉や表情だったのかと得心がいったことを覚えています。
貴社の歴史を拝見いたしますと、大正時代に創業され、科学機械や酒造機械設備の製造を経られて伸銅機械設備メーカーへと変貌を遂げられています。100年の事業の歩みを知り、創業精神「天命に従い人事を尽くす」を守りつつ、ものづくりに対する真摯な姿勢を貫いてこられた姿に、「不易流行」という四文字が浮かびました。本質を大切にされながらも世の中の流れに適応し、貴社を現在の有り様へと変化してこられたのだと思います。
「人が育つ」豊かな土壌に「技術が潤う」大樹の如く、貴社に深く根付いた「三方よし」の精神によって、今後益々繁栄の道を邁進されるとともに、貴社の皆様が一丸となり、より一層磨きをかけたバトンを未来に繋いでいかれることを確信しております。
結びに、生田産機工業株式会社のより一層のご発展と皆様方のご健勝を心より祈念致しまして、お祝の言葉とさせていただきます。